アラフォースポーツライターの日米プロ野球コラム

国内のプロ野球からメジャーリーグについてまで盛り沢山!

ダルビッシュが打席に立つ!

 ドジャースに電撃トレードとなったダルビッシュだが、同じ日本人メジャーリーガーの前田健太投手とともに、ワールドシリーズ制覇に向けて頑張ってほしいところである。

 ドジャースの本拠地であるロサンゼルスのドジャースタジアムとは、奇しくも今年の3月に行われたWBCの準決勝で侍ジャパンが涙をのんだ地である。

 夜になると湿気が多くなり、その湿気を吸ってボールが重くなり球速が遅くなることで有名だが、ダルビッシュはそういった環境の変化にすぐ気付くだろうか。WBCの準決勝の時に先発した菅野や7回から登板した千賀らが難なく好投していたところを見ると、大した問題ではないと見られる。

 ロサンゼルスといえばカリフォルニア州の最大都市であり、全米でもニューヨークに次いで2番目に人口が多く、日系人や日本人駐在員の数も多い。かつてドジャースに在籍していた野茂英雄が多くの日本人のファンを沸かせたように、前田とダルビッシュの2人が在籍したことによって、日本人にとってますます人気球団となること間違いないだろう。

 さてドジャースはDH制のないナショナルリーグの球団であり、日本のセリーグと同じように投手も打席に立たなければいけないわけである。前田がドジャースに移籍する前は広島カープにいたので問題なかったが、ダルビッシュ日本ハム時代からレンジャースまでDH制が採用されている球団でプレーしてきたわけである。日米通じて交流戦などで52打席しか打席に立ったことがないが、昨年レッズ戦ではその52打席目でホームランを放っている。

 ダルビッシュはどう考えているのか知らないが、日本のプロ野球では最近、同じようにDH制のないセリーグのチームの投手は打順が回ってきても、よほどのチャンスでない限り次の回の投球に備えて早々凡退する傾向が見られる。週刊ベースボール今週号でコラムを連載しているプロ野球アナリストの千葉功氏も言うように、打撃に全く意欲を見せない投手が大多数のようである。ちなみに400勝投手の金田正一氏は20年近い現役生活の中で、ホームランを38本打っており、投手の本塁打王でもある。

 また投手が打席に立つということは、バッター目線で投球を目の当たりにすることができるという点で、自身を成長させるためにもいい勉強になるはずである。これはオリックスの金子千尋交流戦を経験して言っていることだ。

 さてダルビッシュが打席に立つことによって、二刀流大谷翔平のようにとまではいかなくても、かつての金田正一氏のようになれるか。あるいは逆にDH制がなくなったことによって、現在防御率4点台とやや不調だが、また立ち直れるだろうか。注目したい。