アラフォースポーツライターの日米プロ野球コラム

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パリーグの投手は打席に立つことにより成長する

 セパ交流戦が始まり、パリーグの本拠地で行われた1カード3試合が昨日6月1日で終わった。1カード目の対戦成績はパリーグの12勝6敗である。今日2日からの2カード目はDH制のないセリーグの本拠地での試合となる。すなわち普段バットを持たないパリーグの投手も打席に立たなければいけなくなる。セリーグの投手からすれば、相手チームの普段打席に立たないピッチャー一人分は代打が出るまでほぼ確実にアウトにできるから、実質8人との勝負になると一見思われがちだが、実はこれがパリーグの投手をさらに成長させる要因になっているのである。

 昨日1日に7試合連続二桁奪三振という日本記録を樹立した楽天則本昂大なんかも、セリーグの本拠地で先発する時はヘルメットを被ってバットを持ち打席に立たなければならなくなるわけだが、この時仮に凡退しても、パリーグの投手は打席に立つことによって勉強させてもらっているのである。

 オリックスのエース金子千尋の話では、交流戦で打席に立つことによって実際に相手投手からの投球を目の当たりにすることができ、その時に変化球の見え方などをバッター目線で感じ取れるという。そういう意味で交流戦はいい機会だと言っている。

 昨日の則本といい、現在メジャーリーグで活躍しているダルビッシュや田中といい、有能な投手は大体パリーグのチームに属していることが多いが、DH制があるおかげでめったに打撃練習をすることなく、投球練習だけに専念できるから防御率がよいのかと思っていたらどうも違っていたようだ。現在はまだ欠場しているが、二刀流大谷翔平の昨年の防御率がよかったのは、登板しない日は打席にも立っているからなのかも知れない。だとすれば金子の話は当てはまっているだろう。

 もちろんセリーグにも3試合連続完封を記録した巨人の菅野をはじめ、有能な投手はそれなりにいるわけだが、やはり打席にも立つからこそなのかもしれない。金子が言うようにバッター目線で投球の見え方を感じ取るということは大事だということがよく分かる。

 今日からセリーグ本拠地での3連戦となるが、この3連戦でパリーグの投手が打席に立つことによって得るものはあるか、何を学んだのかも知りたいところだ。そして全18試合ある交流戦が終わりリーグ戦に戻った後は、ぜひ交流戦で学んだことを活かしてほしい。