アラフォースポーツライターの日米プロ野球コラム

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10年前の夏の全国大会決勝戦での疑惑の判定


懐かしの高校野球 佐賀北vs広陵 2007年

 昨日は、1969年夏の高校野球全国大会で力投した青森県代表三沢高校太田幸司投手を取り上げ、この年の決勝戦がこれまでの高校野球史上最も歴史的な試合だったということについて触れたが、今からちょうど10年前の2007年に別な意味で球史に残る決勝戦があったのを覚えているだろうか。佐賀県代表の佐賀北高校広島県代表の広陵高校との一戦である。当時の球審の疑惑の判定が佐賀北高校を優勝へと導いたのではないかと言われている試合だ。

 当時の広陵のバッテリーは、現在広島カープで活躍している野村祐輔投手と現在巨人で活躍する小林誠司捕手で組んでいた。8回表終了時点で広陵が4-0とリードし、誰もが広陵勝利を確信していた矢先、その裏の佐賀北の攻撃で押し出し四球と満塁ホームランで逆転を許してしまったのである。8回裏一死満塁の場面でカウント1-3から広陵のエース野村が投じた5球目が低めギリギリもボールと判定され、押し出しで1点を返され、野村はこれに動揺したのか、次の打者に逆転満塁弾を浴びてしまったのだった。

 広陵の中井監督は明らかなストライクをボールと判定されて押し出しになったと記者団に怒りをぶつけたことで物議を醸しだし、その後ネット上でもあれはストライクだボールだで意見が分かれたわけだが、あの回の佐賀北の応援はボルテージが上がっていたせいか、審判が佐賀北の応援の雰囲気にのまれて佐賀北に有利な判定をしたのではないかという疑惑も取沙汰されている。まさか次の打者が満塁ホームランを打つなどと思ってもいなかったからだろうか。今もって真相は謎である。

 そういえば広島カープの緒方監督も佐賀県出身である。西武の辻監督もそうだ。全国ではあまり報じられなかったが、先日まで行われていたセパ交流戦で佐賀対決というのがあり、まさに埼玉のメットライフドームで行われた西武ー広島戦で、結果は2勝1敗で広島が勝ち越し、両監督の地元佐賀県では大きく報じられたそうである。

 2007年の夏の全国大会での佐賀北高校の優勝は、同じく夏の全国大会で1994年に佐賀商業高校が成し遂げて以来、佐賀県勢としては2度目の快挙だった。

 佐賀県は福岡県と接していることもあり、福岡ソフトバンクホークスファンが多いらしいが、残念なことに現在ソフトバンクには佐賀県出身の選手は一人もいないようだ。強いていえばオーナーの孫正義氏が佐賀県出身である。