アラフォースポーツライターの日米プロ野球コラム

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太田幸司の力投はすごかった

 昨日28日、青森県弘前市で行われた楽天オリックス戦で始球式を務めた地元青森県出身の太田幸司氏だが、プロ入り後近鉄などでプレーしているが、むしろプロ入り前の三沢高校時代の甲子園での力投が記憶に残っているという人が多いのではないだろうか。

 筆者はまだ生まれていないが、1969年夏の全国大会での愛媛代表の松山商業高校との決勝戦はこれまでの高校野球史で最も歴史的な試合だっただろう。当時優勝候補などとはとても呼べなかった三沢高校が、東北勢として戦後初の決勝進出を果たし、その決勝戦では2日間の熱戦が繰り広げられた。

 初日は三沢の太田、松山商の井上明両投手が延長18回を投げ合うも、0-0のまま決着がつかず大会規定により引き分けとなった。翌日再試合が行われた結果、4-2で松山商が勝利し、東北勢初の優勝とはならなかった。ちょうど決勝戦が行われた2日間、どこかの新聞記者が試合中に青森県を取材したそうだが、街中で人影を全く見かけなかったという。ということは青森県だけでみると視聴率100%近く記録したのではないだろうか。

 ちなみに4月20日の記事「今年こそ東北勢に深紅の優勝旗を!」http://www.probaseballwriter.com/entry/2017/04/20/121704でも書いたが、東北6県の全国制覇は今もって春夏通じてないのである。最近では青森県代表の八戸学院光星高校や一昨年の宮城代表の仙台育英高校のように決勝戦までは行くようになったが、その決勝戦で強豪校相手にあえなく敗退してしまうのである。それゆえ「深紅の優勝旗白河の関を越えない」と何かのジンクスかのように言われるようになってしまったのである。

 今年ももうすぐ夏の高校野球全国大会が始まるが、もちろん今年も期待している。

 話は太田に戻るが、高校卒業後はドラフト1位で近鉄に入団したが、当時現在楽天の監督を務めている捕手の梨田昌孝氏とバッテリーを組んでいたのである。昨日の始球式でも梨田監督相手に投げたそうで、太田ー梨田の近鉄バッテリーが太田の故郷青森県で43年ぶりに再現されたのであった。

 楽天は昨日の試合では見事3-2で勝利し、昨日28日のパリーグ全試合終了時点でも首位をキープしている。ぜひ今年もペナントを制してもらい、かつて太田が青森県民を沸かせたように、震災からの復興に取り組んでいる東北の人々を再び勇気づけてもらいたい。