アラフォースポーツライターの日米プロ野球コラム

国内のプロ野球からメジャーリーグについてまで盛り沢山!

「敬遠申告制」の導入を改めて見直してみては?

 3月24日の記事「4球投げずして敬遠とはどうか?」 http://www.probaseballwriter.com/entry/2017/03/24/122918も参考にしてほしいが、昨日21日の神宮でのヤクルトー阪神戦でも敬遠にまつわる珍事があったそうだ。

 阪神に同点に追いつかれた7回表、なおも二死二,三塁のピンチで打席に福留を迎え、ヤクルトベンチからは敬遠の指示が出た。ヤクルトの投手ルーキが3球目に投じた球が捕手中村の頭上を越えてバックネットまで到達し、”敬遠暴投”による勝ち越しを許してしまったのであった。

 今季からメジャーリーグでは監督が球審に申し出れば、4球投げずして敬遠が成立するようになり、この「敬遠申告制」は来季から日本のプロ野球でも導入が検討されている中で生まれた珍事だけに、「敬遠申告制」の導入に関しては今後もますます物議を醸しだしそうだ。

 敬遠の球を打ってヒットにしたというケースも過去にいくつもあった。最近では1999年6月12日の阪神ー巨人戦(甲子園)で4-4の同点で迎えた延長12回裏、一死一、三塁の場面で4番だった新庄剛志が、ピッチャー槙原が投じた敬遠球を打ってレフト前ヒットにし、サヨナラ勝ちを収めた試合である。

 シーズン終盤でタイトル争いが激しくなると、中日の田尾安志のように敬遠の球をあえて空振りして反発した例もあった。

 このように敬遠にまつわるエピソードは日本の球史にいくつもあったわけであり、今季からメジャーリーグで採用された「敬遠申告制」が日本のプロ野球でも導入されれば、打者を歩かせたければ監督が審判に申し出るだけでよいわけであって、昨日の神宮で起きたような珍事も二度と見られなくなってしまうわけである。

 メジャーリーグでは、もともと試合の時間短縮が目的でこの「敬遠申告制」が導入されたそうだが、4球投げない代わりに短縮される時間はわずか1分。本当に来季から日本のプロ野球でも導入されてしまうのか既に賛否両論分かれているが、筆者個人的には導入には反対だ。