アラフォースポーツライターの日米プロ野球コラム

国内のプロ野球からメジャーリーグについてまで盛り沢山!

エースの意地を見せたい金子千尋

 今日は、オリックスで2年連続開幕投手を務めたエース金子千尋を取り上げてみたい。昨シーズンの成績は、24試合に登板し、7勝9敗でプロ入り初の負け越し。162回を投げ、71失点、125奪三振防御率3・83である。

 今年でプロ12年目、33歳は今シーズンは勝率第一位投手というタイトル奪取を目標に掲げている。

 オリックスといえばちょうど3年前の2014年、森脇浩司監督の頃に、シーズン終盤までソフトバンクと熾烈な優勝争いを繰り広げていたのは記憶に新しい。ちょうどこの年に行われたセパ交流戦で先発した金子だが、9回裏に代打を出せれてノーヒットノーランという快挙を逃した試合を鮮明に記憶している。

 2014年5月31日に行われた巨人との交流戦、先発した金子は9回を144球投げて巨人打線を無安打無得点に抑えたが、オリックス打線も金子を援護できず、結局0-0のまま9回裏に突入した。その9回裏、2死満塁という一打サヨナラという場面で金子に打順が回り、ヘルマンが代打に送られたのである。もしここでサヨナラできれば金子のノーヒットノーラン達成となるわけだが、結局ヘルマンはライトフライに倒れ、快挙達成とはならなかったわけである。

 結局この試合、延長12回に4番手馬原が亀井に決勝ソロを浴びて、金子のノーヒットノーラン達成どころか、逆に痛い完封負けを喫してしまったわけである。一番悔しかったのは金子に他ならなかっただろう。

 もし仮にサヨナラでノーヒットノーランを達成していれば、プロ野球史上としては、1973年、阪神の江夏が対中日戦で同じく0-0で迎えた延長11回裏に自らのバットで決勝ホームランを放って、ノーヒットノーランという快挙を達成させて以来だったことになる。

 ちなみに四死球やエラーによる失点は許したものの、無安打のまま投げ切ったが勝てなかった場合、ノーヒットノーラン達成となるか。これについてはノーである。誤解している人も多いと思うが、ノーヒットノーランのランとは、ホームランのランではなく点のことであり、またその試合の勝利投手となることが条件となっている。無安打無得点に抑えたが、0-0で引き分けた場合、快挙達成とはならないが、参考試合としては扱われる。つまり相手打線を無安打無得点に抑えて最終回まで投げ切り、試合に勝たなければならないわけである。

 ちなみに今年プロ9年目26歳の西勇輝が、岡田彰布監督時代の2012年に対ソフトバンク戦でノーヒットノーランを達成している。惜しくも優勝を逃した2014年は西が開幕から8連勝をマークして勢いにのったわけである。

 後輩に負けてはいけないと意気込む金子だが、今後もオリックスバッファローズのエースとして、21年ぶりのリーグ優勝に向けてファンの期待に応えられるよう頑張ってほしい。