アラフォースポーツライターの日米プロ野球コラム

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200勝投手がいかにすごいか分かる


2017年6月7日 中日・大野投手ヒーローインタビュー

 昨日7日のZOZOマリンスタジアムで行われたロッテー中日の交流戦で、今季の開幕投手も務め、その後開幕から2か月余り勝利のなかった中日の大野雄大が昨日先発8試合目にしてようやく初白星を手に入れた。その大野がヒーローインタビューでマイクを向けられると、涙があふれるあまり言葉が出ず、40秒間の沈黙の後、スタンドの「大野コール」に応えるかのように「勝つのって難しいと改めて感じました」と口にしたシーンをニュースで見たが、筆者も思わずもらい泣きしてしまった。

 2010年ドラフト1位の7年目28歳のサウスポーは、昨年は左肘痛の影響もあり7勝しかできなかったので、エースとして今季は2桁勝利を奪回したいと意気込みを語ったものの、開幕投手を務めながら全く勝てず、中継ぎに回ったりもした。それでも結果が出せなかったので2軍落ちも経験し、ようやく手にした白星だったのである。

 大野は2014年は25試合に登板し10勝を挙げており、一昨年2015年は28試合に登板し11勝を挙げており、いずれも2桁勝利を達成しているものの、昨年2016年は19試合に登板し7勝しかしておらず防御率も3点台だった。

 中日といえば、つい先日3日に内野手荒木雅博がプロ22年目39歳にして2000本安打を達成したことで話題になったが、大野と同じサウスポーで2008年に42歳という最年長で200勝を達成した山本昌投手を忘れてはいけない。大野からすれば大先輩にあたるわけであり、山本の200勝達成は中日球団としては杉下茂氏以来51年ぶりという大記録だったわけである。山本は1983年にドラフト5位で中日に入団しており、200勝達成はプロ25年目にしての偉業だったわけである。ちなみに山本は現役時代7度の日本シリーズを経験しているが、日本シリーズでは1勝もできなかった。

 中日は昨年ドラフト1位で獲得した右投手の柳裕也もようやく1軍に登録されすでに4試合に登板しているが、まだ勝ち星はない。柳をはじめ、新人や若手の投手も1勝する難しさを感じているとは思うが、昨日の大野の涙ながらのインタビューを見て相当刺激を受けたはずだ。

 中日は昨日7日の全試合終了時点で巨人を抜いて4位に上がってきており、ここの所勢いに乗っているようだが、特に大野をはじめとする投手陣は、ぜひ2015年に引退するまで219勝挙げた大先輩の山本昌を見習いながら1勝1勝を積み重ねていってほしい。