イチローが引退する日はイチローのみが知っている
日本時間で昨日20日、マーリンズのイチローが古巣マリナーズの本拠地、シアトルのセーフコフィールドでの対マリナーズ戦の最終打席で放ったホームランがマリナーズファンを大いに沸かせたようだ。シアトル市民にマイクを向けると、多くの人が感動したと答えていた。
日本のメディアがマイクを向けたからそう答えているのかと思うかもしれないが、イチローにとってマリナーズは11年半プレーしたチームで、特に2004年には地元で、メジャーリーグでは実に84年ぶりとなるシーズン最多安打記録を更新したほどなのだから、シアトル市民でイチローを知らない人はいないはずである。シアトルには移籍後も自宅を構えており、本人も第2の故郷と言っているぐらいである。
昨日ホームランを放った最終打席で、地元のアナウンサーが「これがイチローにとってセーフコフィールドでは最後の打席になるでしょう」と言っていたが、日本のプロ野球にセリーグとパリーグがあるように、マーリンズとマリナーズはリーグが違うので、普段はめったに対戦することはないわけである。
さて43歳、日米通算プロ26年目のそのイチローだが、3年前ヤンキースにいた2014年以降のレギュラーシーズンでは、毎年ホームランは1本しか打っていない。従ってここ3年間のデータ通りなら、昨日のホームランが今シーズンでは最初で最後のホームランになるかもしれないわけである。
今シーズンのこれまでの成績は、11試合に出場し、19打数3安打で打率1割5分8厘である。メジャーリーグもまだ開幕したばかりなのでこれからだろう。
2013年には日米通算4000本安打、昨年2016年には日米通算4257安打を記録して、メジャーリーグ通算最多安打記録を塗り替えたわけである。プロ野球における通算最多安打数の世界記録としてギネス記録にも認定されたわけであり、世界の王になぞらえて、世界のイチローと言っても過言ではないだろう。さらにアジア人初となるメジャー通算3000本安打も達成しており、他にも数々の記録を残している。
これまでを振り返ると、年齢に関係なくまだまだ現役を続行してほしいところだが、イチロー本人は「引退する時は死ぬ時だ」とインタビューに答えており、50歳まで現役を続ける意欲も示している。しかしどんな名選手も自身の体力の限界を悟った時、現役を退いている。当のイチローは一体いつ引退を表明するのだろうか。それはイチロー本人のみが知ることなのかもしれない。