アラフォースポーツライターの日米プロ野球コラム

国内のプロ野球からメジャーリーグについてまで盛り沢山!

クライマックスシリーズ導入から10年経って・・・

 クライマックスシリーズが導入されて10年が経った。クライマックスシリーズとは、セパ両リーグがシーズン終了後に上位3チームで争い、それぞれ日本シリーズに進出するチームを決めるというものである。従って必ずしもシーズン1位のリーグ優勝したチームが勝ちあがるとは限らないわけである。

  クライマックスシリーズには第1ステージとファイナルステージとがあり、まず第1ステージでは、シーズン2位と3位のチームが、2位のチームの本拠地で全3試合行い、先に2勝した方がファイナルステージ進出となる。ファイナルステージでは、1位のチーム、すなわちリーグ優勝したチームの本拠地で全6試合行い、先に4勝した方が日本シリーズ進出となる。ただ、リーグ優勝したチームには1勝のアドバンテージがあるため、リーグ優勝のチームは先に3勝すればよいわけである。

  導入の背景には、プロ野球そのものの人気低迷や、どこかのチームが早々とリーグ優勝を決めた場合、残った消化試合が盛り上がらなくなってしまったことなどが挙げられる。

  これまでシーズンを1位で終えたリーグ優勝したチーム以外で、クライマックスシリーズを勝ちあがり、日本シリーズに進出したチームは、2007年の中日(セリーグ2位)、2010年のロッテ(パリーグ3位)、2014年の阪神セリーグ2位)のみであり、このうち2007年の中日と、2010年のロッテは日本シリーズも勝ち上がり、日本一にも輝いている。

  ちょうど10年前、このクライマックスシリーズが導入された年にも球界で色々と賛否両論あったわけであり、「そもそもリーグ優勝していないチームが日本一というのはおかしい」などの意見が多数だった。元中日監督の落合博満氏は「勝率5割に満たないチームが日本一になる可能性もある」と言い導入に前向きではなかった。折しもこの年、落合監督率いる中日がセリーグ2位からクライマックスシリーズ日本シリーズと勝ち上がり、当時セリーグ優勝チームの巨人を差し置いて日本一に輝いてしまったわけである。

  ここからは私見であるが、仮に前述の落合氏の意見に従うならば、シーズン3位に終わったチームなどで勝率5割に満たなかった場合、クライマックスシリーズ進出資格を停止して、1位と2位のみによるファイナルステージだけ行えばどうだろうか。昨年の例でいうと、セリーグ3位のDeNA(勝率4割9分3厘)である。昨年のセリーグを例にすれば、1位の広島と2位の巨人のみによるファイナルステージだけ行うということである。ちなみに昨年は、DeNAが第1ステージで巨人を破って勝ち上がり、ファイナルステージは、広島とDeNAで争った。(結果的には広島がアドバンテージの1勝を含む4勝1敗で日本シリーズに進出した)

  メジャーリーグでも、ワイルドカード(地区優勝チーム以外の勝率の最も高いチーム)から世界一になったケースもあるにはあるが、ワイルドカードのチームは、別の地区の優勝チームより勝率が高かったりすることもあるわけであり、クライマックスシリーズとはまた訳が違う。

  今後の球界での意見次第でさらなるルール改正も予想されるが、クライマックスシリーズ日本シリーズといったポストシーズンだけに人気が集中するようなことなく、レギュラーシーズンから常に野球を楽しめるように、プロ野球ファンの期待を裏切らないルール作りに取り組んでいってほしいと思う。